三重テレビ「ゲンキ!みえ!生き活きリポート」2010年1月31日放送

淡水と海水が交わり合う汽水湖でしか採れない、幻の牡蠣!
牡蠣事業者が結束して、安定供給を実現しました!

海・山に恵まれた北牟婁郡紀北町海山区。
その渡利地区にある白石湖は、海水と淡水が交じり合う汽水湖です。
この湖でしか採れない、貴重なもの・・・。

それがこの『渡利牡蠣』!
汽水湖で採れる牡蠣は、外海の牡蠣に比べるとえぐみや臭みがないのが特長。
牡蠣が苦手な人でも食べられるのだとか。
しかし周囲がわずか5㎞の白石湖でしか採れないだけに、幻の牡蠣と呼ばれてきました。

『LLPオイスターズ』は、
幻の牡蠣を守るため、平成17年、渡利地区の17軒の個人事業主が集まった事業組合です。
渡利牡蠣のブランド力の向上と、販路の拡大と安定供給の実現を目指し、さまざまな取り組みをしています。

渡利牡蠣は牡蠣の子どもも白石湖の中で捕まえて育てる、『白石湖産100%』。
もともとはすべてこの地で消費してきた、まさに地産地消の原点。
生産量が多くないため、個人事業では、大口の注文に対応できなかったのだとか。

また、白石湖は汽水湖だけに、雨などによって塩分濃度が大きく変化。
その度にカキを吊るす深さを変えなくてはいけません。
渡利カキの品質を守るため、毎日、白石湖の水質を検査し、生育環境保護と品質管理に取り組んでいます。

『LLPオイスターズ』を結成し、皆が協力し合い努力することで、渡利牡蠣の品質とを維持しているのです。

またインターネットでも情報発信し、品質を維持するとともに、『渡利牡蠣』の美味しさをアピール。
渡利牡蠣のレシピの掲載や、インターネット上での購入などにも力を入れています。

そんな『LLPオイスターズ』の活躍によって、その美味しさが全国に伝わりつつある渡利牡蠣。
地域の宝は、牡蠣の養殖業者だけでなく、地域全体もゲンキにしつつあります。

渡利牡蠣の料理を提供している『一冨士』。
この数年でお客さんが急増したそう。
数年前まではほぼ地元のお客さんだけだったのに対して、現在は県外からのお客さんが急増!
名古屋・滋賀・岐阜・名古屋・・・遠くはなんと、東京からもお客さんが訪れるとか。

右は『かき土手鍋』。
普通の土手鍋は赤味噌ですが、ここの牡蠣は臭みがないため、あえてあっさり白味噌で。
渡利牡蠣のしっかりした身と歯ごたえのある貝柱だからこそ、火を通すことによってますますふっくらし、味わい深くなるそうです。
左の『かき握り寿し』は、渡利牡蠣ならではの味を生かすため、さっと甘辛く炊いて握っています。

今や紀北町を代表するブランドのひとつとなった、『渡利牡蠣』。
『LLPオイスターズ』の徹底した品質管理と情報発信の成功が、地域全体を盛り立てる起爆剤となったのです!